空の向こう ~アメリカの手術室で~
2005-01-17T00:56:38+09:00
TLJG
小さい日本人、アメリカの手術室で奮闘中です。
Excite Blog
お知らせ
http://tljg.exblog.jp/1744250/
2005-01-17T00:57:28+09:00
2005-01-17T00:56:38+09:00
2005-01-17T00:56:38+09:00
TLJG
未分類
好意的なお言葉が多くて、少し安心もしました。
一人よがりになってしまって本質が見えなくなってしまうのは怖いことですよね。
今回の事は”私にとってのブログの意義”を真剣に考えるいい機会になりました。
書き込んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。
で、私なりに考えた結果、やはり”手術室・麻酔”にテーマを絞り込んだこのブログは閉鎖した方がいいだろうという結論に達しました。
トピックや内容を厳しく制限すれば問題はないとは思うのですが、それによって更新の頻度がガクンと落ちて、このブログは草ぼうぼうの荒れ野原になってしまうでしょう。
この数ヶ月、手間隙かけて育てたブログだけに、それをみるのは忍びないですし、
一般的な話題の範疇で、たまには医療事情の話もしたい。。。
(だって、一日の半分、起きている時間の4分の3は職場にいるんですから。。)
そんなわけで、我ながら、とても日本人くさいどっちつかずな対処なんですが、(笑)
メインのブログの”仕事”カテゴリーは継続させ、一般的な医療・病院の話題だけに絞って、たまーに記事を投稿していくことにしました。
今後徐々に過去の記事の引越しを進めて、完了し次第ここは閉鎖します。
ExblogはRSSの機能が便利で気に入ってたんですが、、、
これからも、どうぞよろしくお願いします。
メインURL:http://sky.ap.teacup.com/stl_sky/]]>
ブログの意義
http://tljg.exblog.jp/1727245/
2005-01-15T10:15:48+09:00
2005-01-15T10:13:54+09:00
2005-01-15T10:13:54+09:00
TLJG
未分類
”医師が日頃の業務内容に触れている”という点ではこのブログも槍玉にあがったHPも同じ。
もちろん、他の方が気分を害するような内容や、患者さん個人を特定する内容は載せないよう気を付けていますし、あまりおふざけにならないようにも努めているのですが、正直なところ、この記事を読んでドキンッ!としました。
元々ブログは情報発信や意見交換という観点から世に登場したのだと思いますが、多くの管理人の方々にとっては個人の日記を公開している感覚があるのではないかと思います。
このHPの管理人の女医さんも、「日記をつける感覚で、、、」とコメントされたそうですが、
その気持ち、私もわかります。
遠くて怖いイメージのある手術や麻酔について、このブログで少し親しみを持っていただけたら、、と考えて、私なりの倫理観に基づいて身の周りの出来事を紹介していましたし、いろいろな方々からご意見を頂戴したり、体験談を書き込んでいただいたりして、私もとても勉強になりました。
けれど、少しさじ加減を誤ると、みだりに職場の事情をあからさまにするばかりでブログ本来の目的である建設的な意見交換はもたらされないでしょうし、ともすると、一番重要な患者さんのプライバシーを脅かす可能性だってでてきかねません。
とても難しくてデリケートなさじ加減だと思います。
私は私なりの良心と倫理観でこのブログを運営してきましたが、この記事を読んで正直進むべき方向が見えなくなってしまいました。
そういう事情で、自分の中の結論が出るまでしばらくこちらのブログはお休みしたいと思います。
皆様のご意見をいただけたら本当に幸いです。]]>
大移動・大引越し
http://tljg.exblog.jp/1697160/
2005-01-11T12:44:00+09:00
2005-01-15T10:21:02+09:00
2005-01-12T08:53:18+09:00
TLJG
手術室にて
今月、50室近い手術室が新しい建物に大移動します。
といっても、50室一気に移動なんていうのは混乱をまねくのが目に見えているので、
3つのグループに分けてお引越しする予定です。
第一陣は私の働く脳外科手術室を含めた14室。
一番と書くと聞こえはいいですが、机上の計画では予期できなかったトラブルがここで噴出するのは火を見るより明らか。
病院のお偉方、麻酔科のお偉方etc.が各所にスタンバイして、物々しく事の成り行きを見守ります。
金曜の午後から大小ありとあらゆる器械や備品の移動が始まり、
新しい手術室や器械のチェック、物の整理などで、今の今まで大騒ぎ。
新しく購入した器械の数が足りなかったり、付属品が足りなかったり、なんてのは当たり前。
そういう時のために業者がスタンバイしているのだけれど、よくわかってない人が多くて、一つのトラブルを解決するのにも上へ上への伝言ゲームで埒があかない。
(本当、この国のサービス産業って一体、、、)
明日の朝から本物の患者さんが入ってくるというのに、、間に合うわけ??
そう!明日水曜の朝から通常業務開始なんですよ。
事のあまりののろさにぶち切れたボスのReneがあちこちに喝を入れて回ったおかげで、
どうにか明日手術はできそうなところまでこぎつけてホッと一安心です。
やればできるじゃないか!!
ところが!!
普通、初日って、慣らし運転と一緒で、軽めの手術を少数、、、とか考えますよね。
(少なくとも日本人の感覚では。。)
甘~い!!!
2日間手術を止められた外科の方々が、待ってました!とばかりに手術予定がぎっしり。
いきなりフルスロットルスタートとなりそうです。
明日は長い一日になりそうです。]]>
外科医の習性
http://tljg.exblog.jp/1565615/
2004-12-28T19:26:00+09:00
2005-01-15T10:22:27+09:00
2004-12-29T21:58:50+09:00
TLJG
手術室にて
私も出勤はしていますが、配置された部屋に手術予定がないので、麻酔回復室に退室許可のサインをしに行ったり、ランチ交替をしたり、、という隙間の仕事をして回りました。
普段は脳外科の手術ばかりに付き合っていますから、こうしてたまに他の手術室で麻酔をするというのは新鮮な気分がします。
ランチ交替をしたある部屋で、、、(整形外科が腕の手術中)
楽しそうにペチャクチャ喋りながら手術をしていた外科医2人、
今度は「麻酔が・・・・(シーツ越しなのではっきり聞き取れない)」としゃべっています。
シーツの上から頭を出す私、 「え、麻酔がどうかしました?(何か不具合でも?)」
外科医、 「いやあ、今日の麻酔はいいねえ、、完璧だよ! 腕の筋肉の力がいい具合に抜けてて。」
私にこやかに 「どおも。」
外科の気分がいいと、よくわからん麻酔の持ち上げ方をする、というのは万国共通のようです。
(手術する際に筋肉の緊張をとることは確かに麻酔の大切な役割の一つなのですが、
いい具合ってどういうことさ??)]]>
オフィスのプライバシー
http://tljg.exblog.jp/1528354/
2004-12-25T06:42:00+09:00
2004-12-26T18:41:32+09:00
2004-12-26T07:12:33+09:00
TLJG
手術室にて
”Reneいる?”
”Rene見た?”
”この書類Reneに渡して欲しいんだけど。。”
おいおい、私は秘書じゃないっつうの!!
そんなわけで、決してやましい事があるわけじゃないけど、席を立つときにはコンピューターの画面や机の上の書類の管理にちょっぴり気を遣います。
(一度、部屋を空けている間に開けっ放しのメールボックスを同僚に見られた苦い経験があるので、かなり人間不信。。)
おまけに私はアナログ人間で、PDAとかPCのスケジュールソフトが苦手。いまだに手書きのシステム手帳を持ち歩き、机の上には大きなスケジュールブックを置いている。どうする??
そう! なんでも日本語で書いちゃえば誰も読めない!!
これに気が付いてから、私の手帳や走り書きのメモは全てひらがな、カタカナ、漢字のいづれかです。
もちろん外来語はカタカナ、数字も漢数字。
ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ。。
これで、誰も私のプライバシーには触れられまい!!
なんだか暗号使いになったようで、とっても気持ちいいです。幼稚な発想なのはわかってますが。]]>
むむむ、第6感?
http://tljg.exblog.jp/1507054/
2004-12-23T10:34:00+09:00
2004-12-24T01:46:16+09:00
2004-12-24T01:46:16+09:00
TLJG
手術室にて
首から下はコートに手袋・ブーツで完全に覆われているので寒さを感じるのは主に顔と頭。暖房の効いた建物に一歩入ると、キュンとしまっていた皮膚の血管がモワモワと拡がってくるのを実感します。
「こういうキンキンに寒い時期って、クモ膜下出血が多いのよねえ。。。」
なんてことを考えながらオフィスにたどり着くと、
「おーい、クモ膜下出血の急患だぞー!」とのお呼びが。
”伊達に8年働いてないな、私、、、”と、ちょっと自分に感心してしまいました。
わざわざここに報告するほどのことじゃないんですけどね。(笑)]]>
ランチタイム攻略法
http://tljg.exblog.jp/1479661/
2004-12-21T15:42:04+09:00
2004-12-21T15:42:14+09:00
2004-12-21T15:40:17+09:00
TLJG
手術室にて
午前11時から午後2時までの3時間はランチタイム。
麻酔担当の研修医や看護師達を30分ずつ解放しなくてはなりません。
「3時間もあるのだから30分の休憩くらい簡単だろう」と思われるかもしれませんが、これがかなりの難題なのです。
ただでさえ、お昼前後は朝1番からの手術が終わって2例目の手術が始まったり、急患の申し込みがあったり、、と、かなり忙しい時間帯。ランチ交替をする人的余裕がある日はいいのですが、誰も手のあいた人がいないなんて日もしょっちゅう。こんな日は、何とか早いうちに皆をランチに送り込めるよう、考えられる限りのあらゆるテクニックを用いないといけません。
「どの手術も、麻酔科のスタッフが4例を超えない範囲で監督しないといけない。」という大前提は守りつつ、複数のスタッフ同士で協力してカバーしあったり、手術と手術の合間の清掃時間を利用したり、、
どうにかやりくりしてランチ休憩を都合しても、「今はおなかがすいていないから後がいい。」だの、「12時までに銀行に行かなきゃいけないから、それまでに休憩が欲しい」だの、と、なかなかうまい具合にはいかないのが世の常。。。
食事に対する考え方もいろいろ。軍隊出身の人達が10分もせずに帰って来るかと思えば、”あわてて食べて、食後のソーダが飲めなかったから消化が悪い”と愚痴る研修医あり。
「ランチの時間を確保しているんだから、グダグダ言うな~!!」と最初はキリキリしていましたが、
最近は「ランチに行きたいなら、今しかないわよ!!」と脅しをかけられるほどに肝が据わってきました。
(もちろん理不尽なやり方はしませんが、こういうと、皆慌てて「行く行く!」と出て行きます。)
アメリカ暮らしが長くなるにつれ、どんどん交渉術に長けてきているのは確かです。
(押しが強くなっただけとも。。。)]]>
科学の常識
http://tljg.exblog.jp/1434924/
2004-12-17T10:21:00+09:00
2004-12-17T15:19:53+09:00
2004-12-17T11:11:57+09:00
TLJG
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その中で一番強く感じたのは、「科学に常識はありえない」ということ。
最近は”Evidence based Medicine”(根拠に基づいた医療)という考え方が浸透して、統計学に基づいた臨床現場での大規模な研究が世界中のあちらこちらで盛んに行われているのですが、
それに伴って、これまで経験に基づいて常識と思われていた知識が、実は大間違いだったと判明するなんてことも医学の世界では珍しくありません。
(多分ほかの科学の分野でも一緒なんでしょうが。。)
今までわからなかった間違いや、より確かな知識が増えるのは喜ばしいことです。
ただ、これも何かの状況が変われば、また新たなものに置き換わっていくのでしょう。
とはいっても、これまでの自分の考えや思い込みを覆すような事実を受け入れるのはなかなか勇気が必要。
先入観なく、しかも謙虚に目の前の事実と向き合うよう心がけなければ、、と、改めて自戒しました。
(すぐに忘れてしまうのだけれど。)]]>
PGA2004
http://tljg.exblog.jp/1385817/
2004-12-12T16:42:00+09:00
2004-12-13T06:11:55+09:00
2004-12-13T05:49:26+09:00
TLJG
未分類
この学会、ニューヨーク州麻酔学会が主催している地方会に近いものなんですが、NY、全米各地に限らず、日本やヨーロッパからの参加者も多くて、かなり大規模な学会です。
昼間はちょっと麻酔の勉強をして、夜はしっかりコンサートやステージ、バーへ、、、
いや、楽しい学会です。]]>
今日は一人で♪
http://tljg.exblog.jp/1352429/
2004-12-09T15:44:00+09:00
2005-01-15T10:25:03+09:00
2004-12-10T07:47:42+09:00
TLJG
手術室にて
私のような下々のスタッフが自分一人で手術室1部屋を担当したり、引退した麻酔看護士に頼んで応援に来てもらったり、と、スケジュール表を一目見るだけでコーディネーターの苦労がしのばれます。
そんなわけで、私もほぼ半年振りに一人で麻酔を担当することになりました!(喜)
別に研修医や麻酔看護士と組んでの仕事がいやだというわけじゃないんですよ。
でも、研修医にはまっとうなスタンダード麻酔を教えなきゃいけないし、
経歴ン十年の麻酔看護士にはそれぞれなんやかんやと好みがある。
それなりに気を遣うのです。
それが、今日は全部私の好きなように麻酔ができる!! なんとすばらしい!!!
いつもはぎりぎりの時間にブツブツ文句を言いながら起きるのですが、
今日はすがすがしい開放感で、いつもの1時間前にはシャキン!と覚醒。
この張り切り様は何だろう??と我ながら不思議になるくらい別人のよう。
今日は2人の患者さんを担当しましたが、どちらも問題なく、かつ幸せそうに手術室を出ていかれました。
手術の後にすやすや気持ちよさそうに寝ている患者さんを見るのは麻酔科の醍醐味。
これが病みつきで、この商売がやめられません。
ただ、片方の中年の男性の患者さん、麻酔が程よく残ったのか一時的に幼児化してしまいました。
「麻酔の先生-!どこにいるのー?置いていかないでー!!」と麻酔回復室で(ホントに)大泣き。
周りの外科医や看護師達は笑うし、次の患者さんのところになかなか行けず困った反面、
ちょっぴりうれしかったのも確かです。
しばらくして部屋をのぞくと、もちろん落ち着いて普通に過ごされていました。
こういうことって、ごくあたりまえにあるんですけど、だから麻酔って恐いんですよね。
日本にいた時のボスは、アキレスの手術の際に一切の鎮静剤を拒否しましたが、
その気持ち、よーくわかります。
いくら薬のせいとは言っても、心にもないことをベラベラしゃべっちゃいそうで。。。]]>
新しいおもちゃ
http://tljg.exblog.jp/1341782/
2004-12-08T19:58:00+09:00
2004-12-10T06:43:44+09:00
2004-12-09T11:52:26+09:00
TLJG
研究メモ
この器械、専門用語でいくと、「動脈圧波型だけから心拍出量・体血管抵抗を連続して表示する」ことができます。
心臓がどのくらい血液を全身に送り出しているか、という情報は、心臓の中にカテーテルを入れたり、エコーを使ったり、ドップラーを使ったり、、という手段しかなく、侵襲的だったり、1時的な情報だったり、不安定だったり、、という問題が付きまとっていたのですが、これがほぼ解決されるという画期的なものです。
今抱えている臨床研究の一つに使いたい、ということで、この会社とコラボレートできるかどうか話し合うためにはるばるテキサスから来てもらったのですが、
実際に手術室で使っていると、
「これは便利だねえ。なに、イギリス製?そりゃだめだ」だの、
「この器械、いつまでここにあるの?え、水曜まで?Reneに言って買ってもらってよ!」だの、
と皆、勝手なことを言いつつも臨床現場で大好評。
なかなか使える”おもちゃ”(新製品の医療器械のこと)が来ているという噂はあっという間に広まって、入れ替わり立ち替わり見物人が現れる始末。
この3日間で、脳外科、肝臓移植、腹部の大動脈瘤、大きな脊椎の手術、などに使ってみましたが、確かに信頼できる値が安定して得られて、なかなかの優れものです。
最初は興味をほとんど示さなかったボスのReneのところにも評判が伝わったらしく、最終日の今日の午後には、「で、値段は?」とちょっぴり乗り気。
図らずも手術室への導入検討が始まったお陰で、私たちの研究には器械本体をタダで貸し出ししてくれることになりそう。よかった、よかった。]]>
週末前の独り言
http://tljg.exblog.jp/1276852/
2004-12-03T08:16:00+09:00
2004-12-04T08:41:34+09:00
2004-12-04T08:41:34+09:00
TLJG
手術室にて
次から次へと準急患が追加されて、結局倍の6件に。
今日はちょっと早く帰れるかな、、と期待していたけど、そうは問屋がおろしませんでした。
こういう展開ってしょっちゅうなんですけどね。
いつも裏切られて、”もう次こそは期待しない!”と決意するのに、また裏切られ。。。
今日は金曜日。
土日に具合が悪くなって急患手術をしなくちゃならなくなるよりは、
今日中に駆け込みでも手術しとこうよ。 という外科の事情もわかりますよ。
でもねえ、、も少し計画性を持って早めに知らせてくれるとか、
そういう心配りをしてくれてもいいんじゃないの??
しかも、今手術創を閉じている、脳外科研修医のDavidくん、
いい奴なんだけど、手が遅いんだな、これが。
他の研修医の倍の時間は平気でかかる。
いや、早いのがいいというわけじゃないんですよ。仕事が確かなのが一番。
でも、君はもう2時間近くも創を縫いつづけているのだよ。
もうちょっとどうにかならんのかい??
などと、心の中でぶつぶつ愚痴を言いつつ、ブログのネタにしてしまう麻酔科医。
どっちもどっちなのかなあ。]]>
口説きのテクニック
http://tljg.exblog.jp/1258901/
2004-12-01T21:47:00+09:00
2004-12-02T23:04:21+09:00
2004-12-02T21:53:05+09:00
TLJG
未分類
まず、麻酔医スタッフの同僚にアプローチ。
「あのー、実はかくかくしかじかの臨床研究をやっててー、この患者さんをリクルートしたいんだけど、、、構いませんか?」
風邪の真っ最中で声がガラガラの同僚、考えるのも面倒くさそう。
「うーん、あー、とりあえず、担当の麻酔看護士に聞いてもらえます?」
当の麻酔看護士のJerry、
「え、リサーチするの、この患者さん?肥満だしねえ、睡眠時無呼吸だしねえ、、、
何?Isoflurane使わないといけない?そりゃ無理だ。何せ睡眠時無呼吸の上に肥満だから、Isofluraneなんか使ったら覚めが悪くてICU送りになっちゃうよ!!」
今日は患者さんにたどり着く前に、ここで終了です。
医療的な議論はさておき、プロトコールに従うのが面倒だったり、自分のペースが乱されるのがいやだという理由で、今日のように麻酔科の同僚の協力が得られないことはしばしばあります。
(同じ科内のプロジェクトであっても、個人的に嫌なものはいや!と通せるところはアメリカらしい)
麻酔科チームを口説くのに成功したら、今度は患者さんにアプローチすることになります。
ここでは、かなり慎重に言葉を選びつつ話をせねばなりません。
まず、にこやかに、穏やかに、かつ、プロフェッショナルに、、
この研究に協力しないと医療サイドの気分を損ねるのではないか、というプレッシャーを与えない。というのが一番気を遣うポイントです。
「このプロジェクトはあなたの手術や麻酔とは関係なく、完全にオプショナルなものですよ。」
「協力していただいても、そうでなくても、手術も麻酔も全く同じものを行いますよ。」
「どんな理由でも、理由がなくても、いつでも、どんな状況でも、このプロジェクトへの協力を拒否する権利があるのですよ。」
というようなことを、しつこいくらいに繰り返し繰り返し確認しながら説明を行います。
ちょっとでも迷いがあったり、気が乗らない患者さんにはそこで説明を打ち切り、それ以上干渉しません。
この病院がアカデミックの病院であるということを患者さんが知っているせいか、
プロジェクトがシンプルで一般の方にもご理解いただきやすいせいか、
小さな東洋人がつたない英語で一生懸命話しかけてくるのが哀れに思えるのか、
私の場合、患者さんのサイン獲得率は90%。
これは、なかなか誇るべき数字なんだそうです。
この臨床研究をめぐる口説きのテクニック、日常生活で活かす場があるといいんですが、、]]>
多国籍研究
http://tljg.exblog.jp/1226251/
2004-11-29T10:54:00+09:00
2004-11-30T23:09:40+09:00
2004-11-30T12:33:12+09:00
TLJG
研究メモ
しかも、提携先はスイスとオーストリア。
国際電話やEメールで世界は狭くなったとか言いますよね。
10年前、いや5年前には考えられなかったことが、
続々と簡単にできるようになってきたのは確か。
でも、やっぱり海の向こうは遠いのです!!(涙)
時差のせいでお互いの都合のいい時間がなかなか合わないし、伝達事項が全員に回らなかったり、1ヶ所が何かの理由で行き詰まると、他もそれを待って足踏み状態におちいったり、、
このプロジェクトの立案・中心人物が ここからスイスに異動したので こんなややこしいことになってしまったのですが、毎日大量のメールが飛び交っても 事の進むスピードは超スローペース。
いらいらして、ああああ~~~!!と叫びたくなることがしばしばです。
(多分お互いそう思っているんだと思いますが。。。)
Iで始まるコンピューター会社やM字マークのファーストフード、などなど、、世界にまたがって大きく事業展開している会社はたくさんありますが、ホント、みんなどうしてるんでしょうね。]]>
自分を守る
http://tljg.exblog.jp/1198260/
2004-11-27T10:39:00+09:00
2004-11-28T12:55:21+09:00
2004-11-28T12:55:21+09:00
TLJG
手術室にて
一昔前は原因不明といわれたような病気も、どんどん仕組みが解明されてきています。
感染症ひとつとっても、HIVに肝炎、SARS、、と、話題が尽きることはありません。
病気の仕組みがわかるようになるのは大変喜ばしいことなのですが、その一方で、発病の原因がわからなかったがために、今ならば防げる病気にかかってしまった方が大勢いらっしゃるのはご存知の通りです。
医療従事者は血液などの(未知の)感染性の病原体を含む可能性がある物質に触れる機会がとても多く、皮膚の傷や針さしなどから感染症をもらってしまったり、病原体を媒介してしまう危険と隣り合わせの仕事でもあります。
新札で話題の野口英世は研究対象の黄熱病で亡くなりましたし、SARS騒動の際も医療従事者に感染者が多発し、その結果、感染が爆発的に拡大してしまったのは記憶に新しいかと思います。
前置きが非常に長くなりましたが、そういうわけで、医療従事者自身が感染から自分の身を守って、感染の媒体となることを防ぐことは、ごく基本的かつ重要な技能の一つとみなされています。
私の日常から紹介すると、まず、朝手術衣に着替えて、頭にはキャップをかぶり、ポケットにディスポの手袋をたっぷり詰め込みます。大げさな話ではなく、手袋は1日1箱近く使っているのではないかと思います。患者さんを診察する時から始まって、麻酔中のどんな処置をする時も常に新しい手袋をつけ、汚れたらどんどん替えるので。なるべく眼鏡かバイザーも付けるようにしていますし、部屋から出てきたら必ず手も消毒薬で洗っています。
もちろん使った針はそのまま専用のゴミ箱へポイ。(針刺し事故が一番怖いので)
断っておきますが、私は普段の生活ではまーったく潔癖症ではありません。
(「あんなに気を遣って育てたのに、、」と母が嘆くくらい、どうでもいいタイプ。)
我ながら習慣というものはスゴいです。あはは。。。
このような感染防御は、1987年に発表されたUniversal Precautionという“全ての血液や組織は感染性の可能性があるという認識で扱われなければならない”という考えに基づいて行われています。1987年といえば、私はまだ医学部にも入っていない頃の話なので、医療現場で実際どのくらい変化があったのかはわかりませんが、恐らくかなりの意識改革を迫られたのではないかと推察します。
点滴にてこずりはじめると、”えーい、こんなものするから入らんのじゃ!!”と手袋をかなぐり捨てる老眼鏡世代の方が結構いますので。。]]>
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