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マイナス15度、ピーンと張り詰めたような凍った空気の中を出勤です。
首から下はコートに手袋・ブーツで完全に覆われているので寒さを感じるのは主に顔と頭。暖房の効いた建物に一歩入ると、キュンとしまっていた皮膚の血管がモワモワと拡がってくるのを実感します。 「こういうキンキンに寒い時期って、クモ膜下出血が多いのよねえ。。。」 なんてことを考えながらオフィスにたどり着くと、 「おーい、クモ膜下出血の急患だぞー!」とのお呼びが。 ”伊達に8年働いてないな、私、、、”と、ちょっと自分に感心してしまいました。 わざわざここに報告するほどのことじゃないんですけどね。(笑) #
by TLJG
| 2004-12-23 10:34
| 手術室にて
午前11時。毎日この時間に戦いの火蓋が切って落とされます。
午前11時から午後2時までの3時間はランチタイム。 麻酔担当の研修医や看護師達を30分ずつ解放しなくてはなりません。 「3時間もあるのだから30分の休憩くらい簡単だろう」と思われるかもしれませんが、これがかなりの難題なのです。 ただでさえ、お昼前後は朝1番からの手術が終わって2例目の手術が始まったり、急患の申し込みがあったり、、と、かなり忙しい時間帯。ランチ交替をする人的余裕がある日はいいのですが、誰も手のあいた人がいないなんて日もしょっちゅう。こんな日は、何とか早いうちに皆をランチに送り込めるよう、考えられる限りのあらゆるテクニックを用いないといけません。 「どの手術も、麻酔科のスタッフが4例を超えない範囲で監督しないといけない。」という大前提は守りつつ、複数のスタッフ同士で協力してカバーしあったり、手術と手術の合間の清掃時間を利用したり、、 どうにかやりくりしてランチ休憩を都合しても、「今はおなかがすいていないから後がいい。」だの、「12時までに銀行に行かなきゃいけないから、それまでに休憩が欲しい」だの、と、なかなかうまい具合にはいかないのが世の常。。。 食事に対する考え方もいろいろ。軍隊出身の人達が10分もせずに帰って来るかと思えば、”あわてて食べて、食後のソーダが飲めなかったから消化が悪い”と愚痴る研修医あり。 「ランチの時間を確保しているんだから、グダグダ言うな~!!」と最初はキリキリしていましたが、 最近は「ランチに行きたいなら、今しかないわよ!!」と脅しをかけられるほどに肝が据わってきました。 (もちろん理不尽なやり方はしませんが、こういうと、皆慌てて「行く行く!」と出て行きます。) アメリカ暮らしが長くなるにつれ、どんどん交渉術に長けてきているのは確かです。 (押しが強くなっただけとも。。。) #
by TLJG
| 2004-12-21 15:42
| 手術室にて
学会ではなかなか面白い講演をいくつか聞くことができました。
その中で一番強く感じたのは、「科学に常識はありえない」ということ。 最近は”Evidence based Medicine”(根拠に基づいた医療)という考え方が浸透して、統計学に基づいた臨床現場での大規模な研究が世界中のあちらこちらで盛んに行われているのですが、 それに伴って、これまで経験に基づいて常識と思われていた知識が、実は大間違いだったと判明するなんてことも医学の世界では珍しくありません。 (多分ほかの科学の分野でも一緒なんでしょうが。。) 今までわからなかった間違いや、より確かな知識が増えるのは喜ばしいことです。 ただ、これも何かの状況が変われば、また新たなものに置き換わっていくのでしょう。 とはいっても、これまでの自分の考えや思い込みを覆すような事実を受け入れるのはなかなか勇気が必要。 先入観なく、しかも謙虚に目の前の事実と向き合うよう心がけなければ、、と、改めて自戒しました。 (すぐに忘れてしまうのだけれど。) #
by TLJG
| 2004-12-17 10:21
Postgraduate Assembly in Anesthesiology (PGA2004)という学会に出席するため、花のニューヨークに来ています。
この学会、ニューヨーク州麻酔学会が主催している地方会に近いものなんですが、NY、全米各地に限らず、日本やヨーロッパからの参加者も多くて、かなり大規模な学会です。 昼間はちょっと麻酔の勉強をして、夜はしっかりコンサートやステージ、バーへ、、、 いや、楽しい学会です。 #
by TLJG
| 2004-12-12 16:42
クリスマス前で手術件数が増えている一方、休暇を取っている人が多いらしくて手術室は火の車。
私のような下々のスタッフが自分一人で手術室1部屋を担当したり、引退した麻酔看護士に頼んで応援に来てもらったり、と、スケジュール表を一目見るだけでコーディネーターの苦労がしのばれます。 そんなわけで、私もほぼ半年振りに一人で麻酔を担当することになりました!(喜) 別に研修医や麻酔看護士と組んでの仕事がいやだというわけじゃないんですよ。 でも、研修医にはまっとうなスタンダード麻酔を教えなきゃいけないし、 経歴ン十年の麻酔看護士にはそれぞれなんやかんやと好みがある。 それなりに気を遣うのです。 それが、今日は全部私の好きなように麻酔ができる!! なんとすばらしい!!! いつもはぎりぎりの時間にブツブツ文句を言いながら起きるのですが、 今日はすがすがしい開放感で、いつもの1時間前にはシャキン!と覚醒。 この張り切り様は何だろう??と我ながら不思議になるくらい別人のよう。 今日は2人の患者さんを担当しましたが、どちらも問題なく、かつ幸せそうに手術室を出ていかれました。 手術の後にすやすや気持ちよさそうに寝ている患者さんを見るのは麻酔科の醍醐味。 これが病みつきで、この商売がやめられません。 ただ、片方の中年の男性の患者さん、麻酔が程よく残ったのか一時的に幼児化してしまいました。 「麻酔の先生-!どこにいるのー?置いていかないでー!!」と麻酔回復室で(ホントに)大泣き。 周りの外科医や看護師達は笑うし、次の患者さんのところになかなか行けず困った反面、 ちょっぴりうれしかったのも確かです。 しばらくして部屋をのぞくと、もちろん落ち着いて普通に過ごされていました。 こういうことって、ごくあたりまえにあるんですけど、だから麻酔って恐いんですよね。 日本にいた時のボスは、アキレスの手術の際に一切の鎮静剤を拒否しましたが、 その気持ち、よーくわかります。 いくら薬のせいとは言っても、心にもないことをベラベラしゃべっちゃいそうで。。。 #
by TLJG
| 2004-12-09 15:44
| 手術室にて
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